床下収納を開けたら、いつのものかわからない梅干しのビンがぎっしり詰まっていた——。
古民家カフェの開業準備というと、リノベーションや事業計画の話が先に来がちですよね。うちもそういう情報を調べまくっていたんですけど、実際にいちばん最初にぶつかったのは、もっと手前の問題でした。片付けです。
祖父母が二人で暮らしていた築約70年の家。3年前に祖母が亡くなってから完全な空き家になっていたんですが、中に残っていたモノの量が、正直想像をはるかに超えていました。この記事では、空き家の片付けにかかった費用と期間を、うちの実体験ベースでまるごとお伝えしていきます。
カフェの前に「片付け」という壁がある
片付けを主にやっていたのは母です。私はIT担当なので、このあたりは母から聞いた話と母のメモをもとに書いています。
祖父が他界したのが2017年、祖母がグループホームに入ってから、母は少しずつ不要品の処分を始めていました。ただ、とにかくモノが多い。二人暮らしだったはずなのに、家中のあらゆる収納がパンパンで、「やっても先が見えない」状態だったそうです。
祖母が亡くなったのが2023年10月。2024年10月の一周忌を過ぎてから、本格的に断捨離を進めていきました。
で、片付けを進める中で出てくるのが、祖父母の暮らしの痕跡です。
床下収納から出てきた大量の梅干しのビン。庭に梅の木があるので、きっと毎年梅の実を取っては梅干しを漬けていたんでしょう。それがいつからか忘れられてそのままになっていたんだと思います。さらに、台所の床下からは洋酒が約30本。ウイスキーが好きだった祖父へのお土産やプレゼントだったんだと思いますが、飲まれないまま残っていました。
こういうものがあちこちから出てくる。カフェにする前に、まずこの「暮らしの地層」を全部掘り起こす必要があったわけです。
処分したモノの量を数字で見せる
母のメモをもとに、処分したモノの量をまとめてみます。
- ゴミ袋:60袋超(母いわく「60袋ではきかない」)
- 布団:敷布団・掛布団あわせて約35枚
- タンス:10棹以上(中には隙間なく衣類・下着・着物がぎっしり)
- 着物:40〜50枚(祖母は和裁を習っていて、自分で仕立てた着物もあった)
- 座卓:10卓(物置に箱入り未使用のものも)
これだけでも相当な量なんですが、まだまだあります。座布団が20枚以上、食器・湯飲み・コップ・鍋は「ここはお店?」と思うほどの量、内祝いや快気祝いの箱入りギフト(シーツ、タオルケット、毛布など)も押入れにぎっしり。調味料の買い置きも砂糖、塩、醤油、油と大量に出てきて、冒頭で書いた梅干しのビンや洋酒約30本もあわせると、もう家中のあらゆる場所にモノが詰まっていた状態です。
二人暮らしの家から出た量とは思えないですよね…。母屋だけじゃなくて、裏の倉庫にも食器棚があって、そこにも食器がぎっしり。割れ物で重いので、この倉庫の食器の処分がかなりの重労働だったそうです。
片付けの進め方——小さいものから大きいものへ
片付けの順番は、衣類・食器 → 布団・座布団 → 大型家具、という流れで進めていきました。小さいものから片付けて、部屋にスペースを作ってから大きいものに取りかかるイメージですね。
いちばん大変だったのが、タンスの処分です。10棹以上あるタンスは重くて一人じゃ運べないので、まず解体するところから始めます。
手順としては、引き出しを全部抜く → ドライバーで扉を外す → ガラスが入っている棚はガラスを外す → 上下に分かれるタンスは上下に分ける → 庭に近い部屋まで運ぶ。母が解体できないものは父に頼んで解体してもらい、大量の木材を車に積んでクリーンセンターへ。これを5回繰り返しています。
車に載らないサイズの木材も多かったので、そこは業者に来てもらって対応しました(費用は次のセクションで)。
着物も苦労したポイントです。祖母は和裁ができた人なので、自分で仕立てた普段着用のものから購入した着物まで、すごい量がありました。出張買取に来てもらったんですが、値がつく着物は1枚もなく。良い着物は少しだけ手元に残しておいたのもあって、買取に出せなかったものと値がつかなかったものをあわせて40〜50枚。着物って重いので、この処分もかなり大変だったそうです。
処分方法と費用の内訳
処分方法は大きく分けて4つでした。
| 処分方法 | 内容 | 金額 |
|---|---|---|
| 習志野クリーンセンター(5回) | 解体した木材など持ち込み | 12,180円 |
| ベンリー軽トラ乗せ放題 | 大型木材・家具 | 29,700円 |
| 布団引き取り | 約35枚 | 0円 |
| 着物出張買取 | 値段つかず | 0円 |
| 合計 | 約42,000円 |
クリーンセンターは自分たちで車に積んで持ち込み、現地でも自分たちで下ろす方式。1回あたり平均2,500円くらいでした。ベンリーは車に載らないサイズの大型木材や家具の処分で利用していて、地域新聞に載っていた広告がきっかけです。
布団の引き取りは、新聞に入ってきた広告を見て依頼。無料とのことだったんですが、あまりにも枚数が多かったからか、「なにか貴金属のものはありますか?」と聞かれたそうです(笑)。こういうの、引き取り業者にはよくあることみたいですね。使っていない指輪があったので買い取ってもらい、布団は無料で引き取り。35枚は最初の車に入りきらず、もう一台来てもらったそうです。
着物の出張買取は、値がつく着物が1枚もありませんでした。
約42,000円。複数の業者サイトを見ると、一軒家の片付けを丸ごと依頼した場合の相場は20万〜60万円程度。うちの物量だったら間違いなく上のほうに寄るので、自力でやった分だけ費用はかなり抑えられています。ただ、その代わりにかかったのが時間です。
1年半、週3日、1日2〜3時間
片付けにかかった期間は、2017年頃からの断続的な作業を含めると数年単位。本格的に集中して取り組んだ2024年10月からでも約1年半(2024年10月〜2026年春時点)です。
作業ペースは週3日くらい、1日2〜3時間。母屋だけじゃなく、外の物置、裏の倉庫、庭の片付けもあったので、これだけの期間がかかっています。
母は2025年3月末に仕事を退職しているので、そこからはもう少しペースを上げられたはずですが、それでも1年半。空き家の片付けを自分たちでやるというのは、費用を抑えられる代わりに、相当な時間と体力を覚悟する必要があります。
業者に頼めば早いけど費用がかかる。自分でやれば安いけど時間がかかる。うちは後者を選んだわけですが、どちらが正解かは家庭の状況次第です。ただ、「自分でやればタダ」ではないということは伝えておきたいです。42,000円かかっているし、何より膨大な時間と労力がかかっています。
片付けが終わって、ここからがスタート
片付けが一段落して、今は1本目の記事で書いた土地の測量と分筆を進めている段階です。リノベーションに入るのはもう少し先ですね。失敗例から学んでいることは2本目の記事にまとめています。
カフェのオープンまではまだまだ先なんですけど、「片付けだけで1年半かかった」というリアルは、同じように空き家を活用しようとしている方には参考になるんじゃないかなと思います。進捗があったらまた報告しますね。


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