カフェ経営の収入はいくら?|家族2人の古民家カフェで手取りを試算してみた

AI×スモールビジネス

月商108万円。

数字だけ見ると、それなりに余裕がありそうじゃないですか?

うちの家族で開業準備中の古民家カフェも、収支シミュレーション上は月商108万円を目指す形になっています。で、そこから経費と借入返済を引いて、家族2人で報酬を取って、最後に手元に残るのがいくらかというと——1人あたり15万円〜17.5万円でした。

最初に月商の数字を見たときの印象と、なんか違いません?

事業計画書の収支シミュレーションをAI(Claude)に作らせた話は前の記事に書いたので、今回はその続きです。出てきた数字を使って、家族でカフェ経営したときの収入はリアルにどのくらいなのか、隠さず並べていきます。

前回のおさらい|シミュレーションの前提条件

まず、AIに渡した前提条件をざっくり再掲しておきますね。

  • 月商目標:約108万円
  • 席数:16席
  • 客単価:950円
  • 営業時間:10:00〜18:00
  • 平日定休2日(月間営業日:平日13日+週末8日=21日)
  • 席稼働率:平日45%/週末64%
  • 家族経営(母・姉の2名、外部スタッフなし)
  • 自己所有物件のため家賃なし
  • カフェ+スイーツ業態(食事メニューなし)

このへんの条件を作り込んで投げたら、出力の精度が一気に上がった——という話を前回書きました。詳しい経緯はプロセス編のほうを読んでみてください。

今回はこの前提から出てきた数字を、もう一段掘っていきます。

カフェ経営のコスト、項目ごとに見るとこうなる

まず月のコスト全項目です。

項目金額
食材原価324,000円
水道光熱費55,000円
消耗品費15,000円
通信費8,000円
広告宣伝費15,000円
保険料8,000円
雑費10,000円
減価償却費36,000円
コスト小計471,000円

食材原価は売上に対する原価率30%で計算してもらいました。減価償却費は設備投資300万円・耐用年数7年の仮定です。

気になったのが水道光熱費の55,000円(内訳は電気35,000円/ガス12,000円/水道8,000円)。最初は「ちょっと高くない?」と思ったんですよ。でもAIが「古民家は断熱性が低いので冷暖房効率が悪く、一般的なカフェよりやや高めに見積もっています」とコメントを添えてきていて、確かにそうだなと…。築約70年の家、夏は普通に暑いし冬は普通に寒いんですよね。条件を伝えていたからこそ出てきた粒度だなと思います。

合計47.1万円。ここまでは「カフェのランニングコスト」としてはまあ想定の範囲内です。

改装費の借入返済が乗ると、こうなる

問題はここからなんですよね…。

5本目の記事で書いた改装費3,759万円。これを丸ごと借り入れた場合、月々の返済額がいくらになるかというと、年利1.5%・15年返済・元利均等の仮定で、月約231,500円です。

23万円。家賃ゼロのメリットが、返済でだいぶ持っていかれちゃいますね(笑)。

返済込みの月間収支を整理すると、こんな感じになります。

  • 月商:1,080,000円
  • コスト小計:471,000円
  • 借入返済:231,500円
  • 総費用:702,500円
  • 返済後の収支:377,500円

月商108万円から経費と返済を引いて、残るのが約37.7万円。この金額が「家族2人の取り分の原資」になります。

家族2人の手取り、3パターンで試算

ここからが今回いちばん見たかった数字でした。

返済後に残る37.7万円から、母と姉の2人で報酬を取ったときの手残りを3パターン並べてみます。

2人合計の報酬1人あたり手残り(事業の利益)1人あたりの手残り
400,000円200,000円-22,500円(赤字)
350,000円175,000円27,500円約14,000円
300,000円150,000円77,500円約39,000円

※ 報酬を多く取れば取るほど事業の利益が減って赤字になる、という当たり前の構造です。手残りの金額は2人で分けるか、内部留保として残すかの選択になります。

40万円の報酬を取ろうとすると、月商108万円あっても赤字! 35万円に抑えてようやくプラマイゼロくらい。30万円まで下げて、ようやく1人あたり数万円の手残りが残る感じです。

「月商108万円」という響きと、「1人あたり手取り15万円」という現実。このギャップ、けっこうエグいですよね…。これが、家族経営のカフェ経営の収入のリアルなんだなあと。

正直、想定の範囲内でした

仕事から帰った夜、AIに条件を作り込んで、ここまでの数字を出してもらったんですけど——画面を見たときの感想は、「まあ、そんなもんだよな」でした。

ショックを受けたとか、絶望したとか、そういう温度では全然なくて。むしろ「黒字になってるだけまし」くらいの感覚で眺めていました。

なんでそう思えたかというと、シンプルに、個人経営のカフェで大きな利益が出るとは最初から思っていなかったからです。家族の誰も飲食店経営の経験はないし、知識もこれから蓄えていく段階ですし。普通に考えて、飲食店で利益が出ずに潰れていくお店なんて、世の中に腐るほどありますよね…。

2本目の記事で失敗例を調べたときも、「事業計画の甘さ」は典型的なパターンとして出てきていました。月商の見込みだけを立てて、運転資金や返済を見落として、半年で資金がショート——そういう話を読み漁っていたので、「最初から大儲けできる」前提では考えていなかったんです。

だから、月商108万円で1人15万円という数字は、ガッカリする数字というより「これが現実のスタートラインなんだな」くらいの受け止めでした。むしろこの数字をシミュレーションの段階で見られたのは、ありがたいことだなと。知らないまま開業して、オープンしてから「こんなはずじゃなかった」になるよりずっといいですよね。

あなたのカフェだったら?|収支シミュレーターで試算してみる

ここまでの数字はあくまで「うちの古民家カフェ」の前提で出した結果です。月商も原価率も家賃も、お店によって全然違いますよね。

というわけで、自分の条件で試算できるシミュレーターを作ってみました。(実はこれもAIで作っています笑)
スライダーを動かすだけで、月商・原価率・家賃などを変えたときの営業利益がリアルタイムで変わるので、ざっくりの肌感を掴むのに使ってみてください。

うちの場合は家賃を0円、月商を108万円に設定して試算した結果が、ここまで書いてきた内容です。条件を変えるとどのくらい数字が動くか、ぜひ試してみてください。

改善の方向性、ピンと来るものとそうでないもの

この数字を見て、「じゃあどう改善するか」もAIに聞いてみました。出てきた4つの方向性、自分の中で温度感がけっこうバラバラだったので、正直なところを書いておきます。

1つ目はテイクアウトと焼き菓子物販で売上を補完する案。これは家族でも前から話に出ていた方向性だったので、すんなり「アリだな」と思えました。最寄り駅から徒歩5分で高校が2つ近くにあるという立地もあるので、焼き菓子を買って帰る学生さんとか、駅前に住む方の手土産需要とか、店内飲食以外の売上を作れそうな気はしています。

2つ目は補助金や助成金で借入元本を減らす案。これは「使えるなら使いたい」というシンプルな話ですね(笑)。古民家活用や地域活性化系の補助金は調べてみる価値がありそうなので、このあとリサーチする予定です。

3つ目が返済期間を15年から20年に延ばす案。これ、正直あんまり気乗りしないんですよね。月々の負担は減るけど、総支払額は増えるわけで…。とはいえ返済期間って、自分たちの希望をベースに銀行とすり合わせて決まる部分もあるので、いまの段階で一人で悩んでも仕方ないかなとも思っています。融資の話を進める中で、税理士さんや銀行の意見も聞きながら判断することになりそうです。

4つ目の据置期間(開業初年度の返済を軽くする)も、ちょっと微妙な気持ちでした。最初の数ヶ月は新規オープン効果で繁盛したけど、半年経ったら客足が落ちて結局返済に困る——そういうパターン、今の世の中だと普通にあると思うんですよ。流行り廃りが早いし、開業直後の数字を基準に資金計画を立てるのはちょっと危ない気がしています。

AIの提案を全部鵜呑みにするんじゃなくて、自分たちの肌感で取捨選択する。内装をAIと検討した記事で書いたのと同じスタンスですね。AIは選択肢を広げてくれる相手で、最後に決めるのはこっち、というのは収支の話でも変わらない気がしています。

数字を知ったうえで、どうするか

月商108万円で1人手取り15〜17.5万円。これが、うちの古民家カフェの現時点での収入の現実です。

この数字を見て「じゃあやめます」とはならないんですけど、「最初から月35万円の報酬を取れる前提で生活設計を組む」のは危ないな、というのは強く思いました。少なくとも開業から1〜2年は、別の収入源とか、当面の生活費の蓄えとか、何かしらのセーフティネットを家族で考えておく必要がありそうです。

数字を出してみないとここまで具体的に考えられなかったので、その意味でAIに試算させた価値は大きかったなと思います。事業計画って、結局この「現実を知ったうえで、じゃあどうするか」を考える作業なんでしょうね。

改装見積もり3,759万円の内訳は5本目の記事に、AIで収支を作った経緯は前の記事にまとめています。同じように家族でカフェ開業を考えている方の参考になればうれしいです。

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